最近、少し引っかかったこと─長持ちとコスト

今日は、少し考え込んでいます。
コーヒーを飲みながら、整理しているところです──

hyggeは断熱や気密、構造など基本的な仕様は1つです。

はじめは同じ断熱等性能等級7(最高が等級5の頃より)でも、外付加断熱に仕上げ材を直塗りできる「湿式外断熱工法(通気無し)」から始まり、高い性能をなるべく安価に、性能を高めることを優先して考えていました。

専門的な話になりますが、ぜひ読み進めていただきたいです。
工法自体の良し悪しを書きたいのではなく‘‘選んだ理由‘‘について書いていきます。

まずは↓の画像が湿式外断熱工法の画像です。
「通気層」を設けることなく外張り断熱から外壁仕上げができることで
「通気胴縁」と「施工費」を抑えることができます。

外付加断熱材がそのまま外壁材となるっ湿式外断熱仕上げ
断熱材にアクリル系樹脂混入けい砂塗りという仕上げを行います。

#008 のお住まいから、付加断熱材の外に通気層を設けモルタル外壁とした通気工法を採用することに。

違いは外付加断熱材が直接外部環境にさらされるか、外壁と断熱材の間に通気層があるかです。

夏は高い外気温や直射日光が当たり、外壁の表面温度はとても高温となります。

外付加断熱材が外壁仕上げ材を兼ねるのか、外壁→通気層→外付加断熱材となるかでは断熱材の受ける影響は大きく異なります。

これは同じ魔法瓶の水筒でも──
炎天下と室内では保温力に差が出るイメージです。

また、万一外壁が割れてしまって雨水が侵入した際に、通気層の無い湿式外断熱工法は断熱材と外壁の防水シートがほぼ密着しているため(縦にシワのある専用の防水シートがあります)排水のスピードは遅くなり、滞るリスクも否定はできないと思いました。

通気工法にすることで外壁と防水シートの間には1.8cmの通気層があり、確実な排水が想定できます。

この2つの工法を並べた場合、仮に同じ外皮性能でも湿式外断熱工法の方が数十万円安く出来るのです。

しかし、先程述べましたが、断熱材が受ける外気温や日射の影響は通気工法の方が少なくなります。

その結果、省エネ且つ停電等によってエアコンが使えない場合でも保温に有利です。

そして雨水が侵入しても排水が確実に想定できる。

hyggeでは外付加断熱の方法をお客様に選んでいただくのではなく、違いや理由をご説明させていただき、通気工法を基本仕様としました。

長持ちや安全が理由となり、コスト増に進んだのです。

また別の例を挙げさせていただきます。

hyggeは全棟許容応力度計算によって耐震等級3の構造を計画、長期優良住宅(都市計画に掛かる際は性能評価)の認定を受けます。

こちらも#008 から「制震テープ」を採用することに。

制震テープは構造計算の結果に反映されません。

大きな地震は何度あるか想定できず、それに耐える耐震等級3であったとしても、少なからず傷むことは想像に難くないです。

傷んだら自然に元に戻ることはありませんので、より傷ませないことが大切、そこで採用したのが制震テープでした。

一棟あたり約25~30万円のコスト増となりますが、基本仕様としました。

他にもこのような基本仕様の変化はあり、ほとんどが長持ちや安全のために、コスト増を選んでおります。

物価高もあり建築コストが上昇している中で、このような検討を重ねるのはお客様のためなのかと、求められていることなのかと正直悩みました。

しかし、断熱や気密の基本性能や施工方法の改良のことなども思い返すと、安全に長持ちさせるためには・・・をずっと考えてきた経緯があります。

知っていたり、気付いているのにやらない・・・

それを選べませんでした。

今は品質が良く、性能も良いのが当たり前となっております。

であれば、もっと快適でもっと安全な住まいを考えたい。私の気持ちはここにあります。

とは言え…コストアップに対する抵抗は私の中にもあるのです。

引っかかったことを一旦素直に出してみる、それが今回でした。

ホームページのブログはSNSのように「いいね」や「コメント」はありませんので、読んでいただいた皆様がどのようなことを感じられたかは知ることができないかもしれません。

着工数が減少して、これまで以上に仕事は「取り合い」に。

弊社よりも建築費が安価である考え方や造り方もたくさんあると思いますが、その方向には迎合できませんでした。

「安心して暮らせていることが何よりです。」

お施主様からいただいた言葉がいつも判断の背中を押してくれます。

これからも迷い、悩むことは必ずあります。

それでも自信を持ってご提案ができるように、しっかりと軸を持っていきます。

そして、あなたにとって‘‘長持ち‘‘と‘‘コスト‘‘は
どちらが大切に感じられますか?

お読みいただきありがとうございました。

hygge ~この家からはじまる かけがえのない暮らし~
代表 渡邊一紘

シェアボタン
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!