~hyggeの羅針盤はどこを指す~地動説と1本道

冒頭から書き始めて、2回ほど消しました。
私が参加をさせていただいている講演や勉強会は、受注アップセミナーやFC加盟説明会などではありません。
同業者の皆様の時間と労力、そしてお客様方の協力があってこその検証結果を見せていただいたり、自社物件の中身を隅々まで見せていただいたり、そうしたことばかりです。本当にありがたく思います。
率直に綴らせていただきたいと思います。
この度、いつもお世話になっております(有)オストコーポレーション北関東様と結めぐる(株)様が企画をされました【田村工業道】に参加をしてまいりました。
登壇者は(有)オストコーポレーション北関東 吉田さん、そして群馬県太田市 田村工業(株) 田村さんです。

まずは吉田さんの講演より「住宅ビッグバン」についてがありました。
※住宅ビッグバン・・・現在過去に例がないほどの着工棟数減であり、その減少スピードが統計データよりも早くなっていることを指しています。

画像の人物は天文学者コペルニクス氏、地動説で有名な方です。
私たちは数年間の巣ごもり期間がありました。その中で住まいづくりについて‘‘勉強‘‘をされるお施主様が増えて、断熱気密や耐震性の向上が必要であるという認知が大きく広がりました。
こちら実務者側も同じで、この期間を機に性能へ目を向けた方々も多くいらっしゃいます。
これまでは「調べる」「勉強する」の方向性が違っていたこともあり、元々高い性能を基本とする工務店様方が今ほど注目をされていなかったと思います。
性能は基本的に大切であることの例えが‘‘地動説‘‘です。
そしてこの期間の間に省エネ基準適合の動きなど『最低水準』の引き上げが決まったり、ある補助金事業においては構造計算を行った物件が優先的に対象になったりもしています。
そうなりますと‘‘天動説‘‘は何を指すのでしょうか。
あえて書きませんのでご想像ください。
関連していきます。

出所:国土交通省「住宅着工統計」より

グラフを見ますと、1988年の166万戸からバブル崩壊にて減少、増税に伴う駆け込みからの減少、2008年のリーマンショックによる減少など情勢によって着工数減は見られておりますが、その後は上向きに回復しています。
それが2017年以降を見てみますと、着工数は減るばかりです。
2024年は66万戸、2030年には55万戸となっていきます。
その中で、弊社が着工できる能力は2022年もその後も2030年も年間7棟前後が最大です。
年間数千、数万棟規模の着工をしている会社様は「地動説」「天動説」のどちらでしょうか?
多くのお客様方が勉強の先にたどり着いているのが「地動説」
「地動説」の工務店様の年間着工数は数棟~十数棟の規模であります。※一部のスーパー地動説の皆様、すみません。
なので数万~数十万規模の着工減となっていても、しっかりと地動説を信じて、認知していただき実行していれば大丈夫なんですとお話をしてくださいました。大切なことは天動説に逸れないことであります。
着工数減に伴い工務店様はじめ多くの会社様に影響が出るのは確実です。
断熱気密や耐震性が高く、環境課題を解決するための地動説という‘‘手段‘‘を用いる工務店様方は、これからも地動説を信じてくださる一定のお客様と出会ってまいります。

さて、そんな地動説と言っても誰にでも何時でも安定の道ではありません。
行き着けば天国、道のりは・・・なほど誘惑や我慢の連続です。
そして一朝一夕で何とかなるほど簡単なことではないと、hyggeとして歩み始めた私にも感じることばかり。
その道を十数年歩み、包み隠すことなく語っていただいたのが田村工業(株)田村さん【田村工業道】
講演の内容は決断の連続であり、有言実行しか無かったものでありました。
感動する多数の実例をお聞きする中で、信じられないような経験談も。
感動話ではありませんが、
「ユニットバスの壁の色を決めて良いんだって!」
となぜかそこで盛り上がってみたり、
大多数の方がお施主様に相談をして決める外壁や屋根の色は
「田村さんにお任せします!」
となるそうです。
私はまだ類似のことを『提案』する経験しかありませんが、キッチンなどは‘‘木目調‘‘にしないでくださいね!
くらいのものです。
ちょっと「おっ!」となりましたのがユニットバスの色は田村工業様のお施主様も選ぶのかというところ。
私もお施主様に制限なし!とお話しておりまして、その理由に至るところは違うのかなと。
私の場合は、ユニットバスは空間として独立していること、その独立した空間による安らぎはお施主様の感覚が正解であると思うからです。
この度のお話の数々は業界の逸話でありますが、プロダクトアウトの賜物、何よりも≪その人の人生に必要だと思うことを≫を首尾貫徹されているからで、理念もコンセプトも根底にあるものがあって然り。
前の文面で地動説という‘‘手段‘‘と表現させていただきましたのは、‘‘目的‘‘である理念やコンセプト、想いが皆違うからです。
だからお客様においても、地動説だからということではなく、目的や想いで選ばれるからこそ、それぞれ最良の幸せな暮らしと人生になるのだと。
その細い1本道をひたすら歩まれた田村さんのこれまでを拝聴して思うことは、真似するしないという観点ではなくとも、必ず幸せになる人を生んでおります。幸せな未来をつくっています。

私(たち)はhyggeとして出来ることを、想いを強く持って進む【道】があります。
以前に田村さんから言われました。
1本道ではない。何回も薄く脇道が出てくるんだと。
それが楽な道に見えたり、正しい順路に見えたりする。
そこで1mmでも外れないように進んでくださいと。
そうすると同じ方向へ進む平行線になる。交わることは無いし、交わらなくて良いんです。
このお話を聞かせていただいてから、他社様と争いの気持ちが無くなりました。
その反面、お客様方には性能や素材よりも考えていることを強くお伝えするようになりました。
信用から信頼へ。どこでもその言葉を聞くたびに私の至らなさとお施主様方の寛大さに反省の気持ちが生まれているのが正直なところ。
‘‘人‘‘としての信念や行いを磨き続けなければ、‘‘人‘‘を幸せにできないこと。
私は何を思って何を提案するのか、それは何故なのか。それができているのか。
自問自答ブログになってきておりますが、御用聞きに終始する道は本職としての役割を全うしていないなと。
ご要望やご希望はもちろん伺いますが、私たちも一緒に答えをあちこちから寄せ集めてもパズルは完成しません。
私たちのピースがあるから完成する。
「言われた通りにしようかな。」
これも脇道、立ち止まって落とし込んで、私たちの理念に通じるものになるのか判断しなければ、
最後にはお施主様を幸せにできません。


私が周りの方、同業の方に仕事の話をすると時折「楽しそうで良いね!」と言われることがあります。
今回の講演を聞いて言えるようになったことが。
日頃の仕事で「楽しい」は感じておりません。
現場が綺麗になるようにお願いしたか、発注に漏れはないか、日程は調整できているか、確実な施工を確認したか。
また、お施主様の提案を受け入れられない、間取りにもここで制限を設けたい、SNSで見つけた見栄えに釣られないように意図を再確認したい。
にこにこ笑顔でお客様の提案却下など出来る強メンタルではなく、一時は残念な思いを感じてしまうことが分かっていて、それでも大丈夫と言い切る責任があること。
その責任を全うしてこそ、その通りであったと証明できること。
そしてお施主様方が感動して喜んでくださって、快適で良かった、家から出なくなった、見てもらって自慢したいんです、OB宅見学会は無いんですか?
たくさんのご感想や喜びを分けていただいて私は‘‘幸せ‘‘であります。

完成見学会や構造見学会は「楽しい」です。
興味を持ってくださった方々に現場をお披露目できること。
そして何故こうしたのか、理由は何なのかと1日中お話ができるから。
何か発散しているのかもしれません。
開催数日前から毎日のように夢で見学会が行われているくらいです。
それで現場が絡む連絡がお施主様でも業者様からでも来れば一瞬汗をかいてしまいます。
どうしたのか?と。
少なくともそのくらいは緊張し続けていることを書かせて頂きます。

何も一人ではありません。
こうしていられるのは、ここにいらっしゃった皆や他にも一緒に活動してくださる皆がいるからです。
今は‘‘頑張る‘‘という言葉を使わなくなりました。
〇〇を頑張るという言葉、置き換えると、やりたくないけどを無理してやる、に当てはまってしまうと思ったからです。
この気持ちを持って皆が「傍(はた)を楽(らく)に」言い換えれば関係する人たちに喜びを与えているのだなと思えば、
知ってやらないで後悔するのなら、やってみて悩んでみたいと思うのです。

今ほど新潟 住学さんから楽しそうな連絡がございました。
多くのお施主様と仲間がいて・・・幸せです。
貴重な講演をありがとうございました!

hygge ~この家からはじまる かけがえのない暮らし~
代表 渡邊一紘


 hygge は福島県伊達市 株式会社渡辺工務店の住宅事業部です。
UA値0.3W/㎡・K以下、C値0.3㎠/㎡以下、許容応力度計算による耐震等級3を基本とした
高気密・高断熱・高性能住宅を建築しております。

シェアボタン
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!